今回、ご紹介するのは鈴木祐さんの「ヤバい集中力」です。題名がそもそもヤバいと言うのは置いといて、この本は端的に言うとライフハック本です。もっと言うと仕事効率化の本ですね。科学的なエビデンスがたくさん盛り込んであり、説得力のある本となっております。
それでは、いくつか自分がなるほどと思ったトピックを選んで紹介したいと思います。
アウトプット開始!
脳の馬力を高める
①カフェイン
150〜200mgのカフェインをとると30分程度で疲労度が和らぎ、ベースラインから5%ほど集中力(注意力)が上がります。
❌NGなこと
〈NG その1〉
一度に400mg(缶コーヒー二本分)のカフェインを取らない。不安感や焦燥感の増加、頭痛、短期記憶につながるという研究結果が出ているらしい
〈NG その2〉
起床から90分はカフェインを取らない。覚醒系のコルチゾールが体内で分泌されるのがだいたい朝の6時くらいからです。起きてから90分経つとコルチゾールが減少し始めますが、それより前にカフェインをとるとコルチゾールの覚醒作用と合わさって脳への刺激が強くなりすぎ焦燥感や頭痛、心拍数の増加につながります。
②地中海食
イタリアやギリシャから古くから伝わる伝統料理のことで、野菜や魚介類、フルーツ、オリーブオイルなどを使いますね。これらは脳の働きにいい影響をもたらします。具体的な食事法として「MIND」というものが取り上げられています。その詳しい内容は本をお買い上げください
また、何を食べたか記録する「食事日記」を始めるのも良いでしょう。記録をつけることによって日々のモチベーションが持続されやすくなります。記録をとればとるほど食習慣が改善するというデータもあります。
報酬を利用する
人間のモチベーションが続かない時というのはだいたい①タスクが不毛である(メリットが感じられない)②難易度エラーが生じている(難しすぎて目標達成できなさそう、もしくは簡単すぎて先伸ばししても大丈夫そう)、の2種類です。これを克服するために著者は「報酬感覚プランニング」というものを提案していますがこれも詳しい内容は本に任せます。簡単いうと、DaiGoさんの「知識を操る超読書術」にも出てきたメンタルマップに似たものです。
「儀式」を取り入れる
タスクに取り掛かる前に、何か儀式のようなものをルーティン化することによって脳に「これから大事な作業をするのだな」と錯覚させることができます。その儀式はガムを噛むとか指を鳴らすとかなんでも良いのですが、せっかくなので意味のあることをやりたいところですよね。その一つに「達成バイアス」を利用したものがあります。
達成バイアスとは簡単にいうと、人間が複数タスクを抱えた時、優先度の低いタスクから取り掛かってします習性のことです。今までは優先順位の高いものから取り掛かろうというアドバイスが世の主流でした。しかし、最近の研究で優先度の低い簡単なタスクを先に終わらせると、ドーパミンの分泌が促進され(達成感を味わえて)モチベーションが上がり、パフォーマンスが上がるという研究結果が出ています。まず簡単なタスクから取り掛かるという儀式も悪くはないでしょう。
「儀式」(=ルーティン)を息を吸うようにできるまでには反復が必要です。本書では「週4回を二ヶ月間続ける」が一つの目安と言っています。
とまあ、ここまで本のごく一部分のみを紹介しました。
本書は非常に曖昧な概念である「集中力」というものを以下のように捉えています。
まず、人間がタスクに取り掛かるには①自己効力感②モチベーション管理能力、の二つが必要だと主張しています。①は「自分は難しいことでもできるのだ」という心理状態のことです。①、②をクリアしてようやくタスクに取り掛かっても人間の注意力は程度の差こそあれだいたい20分だと言われています。なので、注意力が散漫になりかけたり、疲れによってタスクを投げ出しそうになった時、③セルフコントロール能力が重要になってきます。セルフコントロール能力とは自分を客観的に、俯瞰的に見られる「もう一人の自分」を作り出す能力で、最近注目を集めているマインドフルネスなんかもこのくくりに入ります。
以上の①、②、③の能力を総合して著者は集中力と呼んでいて、この三つの能力をうまく引き出すコツをたくさん紹介しているの本書です。
みなさんも気になったらぜひ読んでみてください。
以上、鈴木祐さんの「ヤバい集中力」でした。
(早くFACTFULLNESS読み終わりたい...)
本日のおまけ
なんていうか、編集が最高すぎてめっちゃ厨二心をくすぐられる。